シーラカンス
『生きた化石 シーラカンス』。
そう呼ばれる所以は、シーラカンスが地球上に出現したのは、今から4億年以上前から3億6700万年前頃のデボン紀と呼ばれる時代中頃。化石によって、シーラカンスの存在は知られていましたが、白亜紀(1億4000万年前~6500万年前)以降の地層からは化石が発見されなかった。そのため、シーラカンスは恐竜とともに絶滅した古代魚だと思われていたが、海中奥深く『深海』で今も尚生きていたのだった。
シーラカンスの形態・生態
古生代と中生代のシーラカンス目は、淡水域や浅い海に広く分布していたと考えられる。
体形・体長もさまざまなものが知られ、現生のラティメリア属に近い体形のものから、タイのように体高が高く扁平な体型をした種もいた。また、復元された全長が3mに達する巨大な種も知られている。現生種で確認できたことであるが、鰾(うきぶくろ)に詰っているのは、空気ではなく脂肪であった。海水より比重の軽い脂肪を蓄えることで浮力を得ているのである。
化石からシーラカンス目は卵胎生であると推測されていたが、このことは現生種の解剖によって証明されている。なお、その卵は直径10cmを超える。シーラカンスは1mを超える大きな魚だが、それでも異常な大きさである。子もかなり成長が進んでおり、生まれ出てくる頃には既に体長30cm近くになっている。
シーラカンスの種類
現生のシーラカンスは2種しかおらず、両方とも深海に生息しているが、かつては世界中に分布していた。海だけでなく、川や湖など淡水に生息していた種類もいる。肉厚で太いヒレやずんぐりとした身体のイメージが強いシーラカンスだが、実際には多様な姿形を持つ魚である。
中には、アンコウのような丸い形をした物や、体長4mを超える巨大なものまでいた。